管理費等の滞納が引き起こす問題点

理事になり「管理費等の滞納」と聞いても、「そういう人がいるんだ」くらいに考え、もしかしたらあまり問題意識をお持ちでない方もいらっしゃるかもしれません。

団地型マンションなど戸数が多い場合によく見られますが、一人くらい滞納者がいても収入総額に大きな影響が見られず、また、理事は大家さんではないため「影響を感じにくい」「当事者意識を持ちにくい」というのが、理由にあると思います。

しかし、放置しておくことで、様々な問題を引き起こす要因になるのです。

資金不足

あたりまえのことですが、当然に資金繰りに影響が出てきます。
特に小規模のマンションでは、管理費等の滞納が続くと修繕積立金の残高が不足して大規模修繕工事を実施したくてもできない場合もあり得ます。

また、資金不足を借入れで補填しようと思っても、滞納が多い管理組合には金融機関もお金を貸してくれませんから悪循環となります。

不公平感

管理費等の滞納者がいることが他の組合員に分かった場合は、不公平感を助長し新たな滞納が発生する可能性もありますし、滞納以外のトラブルを起こしている他の義務違反者にも口実を与えてしまいます。例えば、、、

  • 迷惑駐車のことをいう前に、管理費を滞納している人をなんとかしろ、自分はきちんと払っているんだぞ!遅延損害金もキッチリとってやれ!
  • ペットを飼ってどこが悪いの、管理費の滞納の方が悪質でしょ!動物愛護法だってあるのよ!

理事会の負担の増大

専門的知識に乏しい管理組合が、毎月増え続ける滞納管理費等を回収するための作業は大変です。督促業務や滞納金額の管理などに多くの時間を割くことになります。

管理組合が行うべき本来の業務は、「総会で承認された事業計画の実行」、「共用部分の維持・管理」、「マンション内の良好なコミュニティづくり」などですが、それらの業務を行う前に滞納対策に忙殺されて理事会は疲弊してしまいます。